人生には、思わず笑ってしまう瞬間もあれば、涙がこぼれるような出来事もあります。そんな「喜び」と「悲しみ」が詰まったドラマこそ、ヒューマンドラマの醍醐味です。
国内ドラマには、家族の絆を描いた感動作、友情や恋愛をテーマにした心温まるストーリー、社会問題に切り込んだ作品まで、数々の名作が生まれています。視聴者の心を揺さぶるこれらのドラマは、時に励まされ、時に深く考えさせられるものばかり。
本記事では、そんな「笑いと涙が詰まった国内ヒューマンドラマ」の中から、ぜひ一度は見てほしい傑作を厳選して紹介!あなたの心に残る作品が、きっと見つかるはずです。
【日曜の夜ぐらいは…(2023年放送)】|人生につかれた女性たちが出会い、少しずつ変わっていく優しい物語
2023年にテレビ朝日系で放送された『日曜の夜ぐらいは…』は、岡田惠和脚本、清野菜名主演のヒューマンドラマです。ささくれた日常を生きる女性たちが偶然出会い、少しずつ人生を取り戻していく姿を丁寧に描いた、心温まる群像劇です。
物語の中心となるのは、母の介護をしながらファミレスで働いている岸田サチ(清野菜名)。忙しさと孤独の中でくすぶるように生きていた彼女。ふとしたきっかけで参加したバスツアーで出会うのが、元ヤンキーのタクシー運転手・野田翔子(岸井ゆきの)、祖母と二人暮らしで工場に勤務している樋口若葉(生見愛瑠)。年齢も境遇も違う3人が、偶然の出会いを通して友情を育み、それぞれの人生を見つめ直していきます。
この作品の魅力は、誰にでもある“心の疲れ”や“人生の再出発”を、静かで優しいトーンで描いていることです。派手な事件は起こらないけれど、登場人物の言葉や仕草がどれもリアルで、見ている人の心にそっと寄り添います。脚本の岡田惠和らしい温かさと、主演3人の自然体の演技が、日常の中の希望を見事に映し出しています。
主題歌はMrs. GREEN APPLEの「ケセラセラ」。作品全体を包むような柔らかな世界観が印象的で、見終えたあとに“明日を少し頑張ろう”と思わせてくれるドラマです。
【いちばんすきな花(2023年放送)】|恋愛でも友情でもない、“人と人”の新しいつながりを描く群像ヒューマンドラマ
2023年にフジテレビ系で放送された『いちばんすきな花』は、生方美久脚本、松下洸平・多部未華子・今田美桜・神尾楓珠の4人が主演を務めたヒューマンドラマです。「男女の間に友情は成立するのか?」という問いをきっかけに、4人の男女が偶然出会い、それぞれの孤独や本音を見つめ直していく物語が描かれます。
舞台は現代の東京。人付き合いの中で少しずつ距離を感じてきた4人――潮ゆくえ(多部未華子)、春木椿(松下洸平)、深雪夜々(今田美桜)、佐藤紅葉(神尾楓珠)は、偶然の出会いを通じて、恋愛でもなく友情でもない“不思議な関係”を築いていきます。それぞれが抱える小さな痛みや違和感を、言葉にできないままに共有し、少しずつ心を通わせていく姿が静かに描かれます。
この作品の魅力は、恋愛を主題にせず、「人とどう関わっていくか」という普遍的なテーマをやさしく描いたことにあります。日常の会話の中にあるリアルな息づかい、そして4人の自然体な演技が、現代人の“孤独と癒し”を見事に映し出しています。演出の美しさや、間の取り方も秀逸で、まるで映画のような静かな余韻を残します。
主題歌は藤井風の「花」。作品全体を包むような温かい音楽とともに、「人は誰かとつながることで少しずつやさしくなれる」というメッセージをそっと伝えてくれるドラマです。
【カルテット(2017年放送)】|偶然の出会いから始まる、音楽と嘘と本音が交錯する大人の群像劇
2017年にTBS系で放送された『カルテット』は、坂元裕二脚本、松たか子・満島ひかり・高橋一生・松田龍平の4人が主演を務めたヒューマンドラマです。軽井沢を舞台に、偶然出会った4人の男女が共同生活を送りながら、それぞれの秘密や本音を少しずつ明かしていく物語が描かれます。
物語は、ヴァイオリニストの巻真紀(松たか子)、チェリストの世吹すずめ(満島ひかり)、ヴィオラ奏者の家森諭高(高橋一生)、そして第2ヴァイオリンの別府司(松田龍平)が、“偶然”カラオケ店で出会い、弦楽四重奏(カルテット)を組むことから始まります。彼らは軽井沢の別荘で共同生活を始めますが、やがてそれぞれが抱える嘘や過去、そして心の傷が明らかになっていきます。
この作品の魅力は、坂元裕二脚本ならではの“会話劇の妙”にあります。登場人物のセリフ一つひとつが、ユーモラスでありながらもどこか切なく、観る者の心に静かに響きます。人間の弱さや孤独、誰かに理解されたいという思いが丁寧に描かれており、軽井沢の静かな風景とともに独特の余韻を残します。
音楽監修は椎名林檎。主題歌「おとなの掟」(Doughnuts Hole)が作品の世界観を完璧に表現し、多くのファンを魅了しました。ミステリー要素を含みながらも、最終的には“人と人とのつながり”を描いた、深く静かなヒューマンドラマの名作です。


