吉高由里子さんは、自然体で飾らない雰囲気が多くの視聴者に愛される俳優です。バラエティでは柔らかい笑顔と少し天然な一面を見せ、トークの節々に感じられる無邪気さや優しい空気感が「見ているだけで癒される」と評判です。一方で、ドラマや映画では役柄によってまったく違う印象を生み出し、共演者や監督からは“作品の空気にスッと馴染める人”として高く評価されています。
1988年生まれ。10代でデビューして以来、多彩なジャンルの作品に出演し、20代の透明感ある役柄から、30代の落ち着いた佇まいまで、時期ごとに見せる魅力が大きく変化することも特徴です。
こうした“七変化のような表情”を見比べる楽しさがあるのも、吉高由里子さんの作品ならではです。
ここでは、吉高由里子さんの魅力がもっとも伝わる代表作を3本だけ厳選しました。
役柄の雰囲気がすぐにイメージできるように軽くまとめているので、まだ観ていない人でも安心して読めます。
最愛(2021年)|30代の吉高由里子が深く輝く代表ヒューマンドラマ
吉高由里子さんが33歳頃に主演した「最愛」は、地方で育った少女が努力を重ねて実業家へと成長し、思わぬ形で過去と現在が重なっていく大人のヒューマンドラマです。30代に入った吉高さんの落ち着いた佇まいと、胸の奥に秘めた感情を繊細に表現する演技が際立ち、20代の頃とはまた違う“深さ”が自然に滲み出ています。静かな強さと柔らかい弱さを行き来する演技は、この時期ならではの魅力といえます。
物語は、彼女が立ち上げた会社が大きく注目される中、ある出来事をきっかけに幼い頃からの縁が思わぬ形で再び動き出すところから始まります。仕事で成功しながらも、故郷との距離感や家族への思いが心の奥に残り続け、今の生活と過去の記憶がゆっくりと交差していく。その交差の仕方が静かで丁寧なので、観ている側にも自然と“何かが動いている”気配が伝わってきます。
共演者との関係性も見どころの一つで、誠実で穏やかな刑事を演じる松下洸平さんとのシーンには、再会した二人が過去を抱えながら向き合う独特の距離感があります。視線や間の取り方だけで感情の揺れが伝わり、言葉にしない部分が深い余韻を生み出しています。一方で、主人公の事業を支えるビジネスパートナー役の井浦新さんとの関係は、緊張感と信頼が同時に漂い、ビジネスの世界で生きる主人公の姿をより立体的に見せてくれます。
ドラマ全体は、人の心がゆっくりと動いていく“静のドラマ”で、派手な演出よりも、表情や声、会話の間といった細かな部分に力があります。淡い光で彩られた映像や、日常の中にふっと生まれる感情が丁寧に積み重ねられ、物語が進むごとに人物の内面が少しずつ浮かび上がってくるタイプの作品です。この静かなリズムが心地よく、感情の変化をじっくり味わいたい人に向いています。
「最愛」を吉高由里子さんの代表作としておすすめしたい理由は、30代の彼女が持つ“大人の魅力”がもっとも綺麗に表れているからです。繊細で奥行きのある演技が重なり合い、見終わったあとに余韻が長く残る深い作品になっています。落ち着いたヒューマンドラマや、大人の感情を静かに描く作品を求める人にぜひおすすめしたい一本です。
東京タラレバ娘(2017)|20代後半の吉高由里子が弾ける等身大の恋愛ドラマ
吉高由里子さんが28歳頃に主演した「東京タラレバ娘」は、仕事も恋もまだどこか不安定な20代後半の女性を軽やかに演じた作品です。この時期の吉高さん特有の明るさ、勢い、そして繊細な不安が混ざり合う演技がとても魅力的で、等身大の女性像を自然体で表現しています。30代の落ち着きとはまた違う、若さと揺らぎのバランスが絶妙で、“この頃の吉高由里子”が好きな人にはたまらない作品です。
物語は、東京で暮らすアラサー女性3人が「もしあのとき○○していれば…」と“タラレバ話”を繰り返しながら日々を過ごすところから始まります。仕事はそこそこ順調でも、恋愛では思わぬ壁にぶつかったり、理想と現実のギャップに戸惑ったり——。そんなリアルな日常をコミカルに描きながら、3人の心の変化が少しずつ浮かび上がっていきます。深刻になりすぎず、軽く笑いながら共感できる“アラサーの現実”が絶妙な距離感で描かれています。
共演者との関係性も見どころで、坂口健太郎さんが演じるモデル・KEYとのやりとりは、吉高さんの勢いある一面と素直になれない弱さを引き出す独特の空気感があります。少しツンとした距離感の中に、確かに心が動いている瞬間があり、二人の会話はどれも印象的です。親友役の榮倉奈々さん、大島優子さんとの関係も魅力的で、3人の掛け合いは“本当の友達”のような自然さ。何気ない会話の中に、仕事の悩みや恋の愚痴がそのまま詰まっていて、観ている側もまるで友人の隣に座っているような気持ちになります。
作品全体は、テンポの良い会話と軽やかな雰囲気が中心で、笑いながらも時々胸に刺さるセリフがあり、気づくとキャラクターの気持ちに寄り添ってしまうようなドラマです。東京の街を舞台にした明るい映像や、ポップな演出が重なることで、日常の悩みを抱えた30代女性の物語がより親しみやすく描かれています。深刻になる手前でスッと空気が軽くなるので、気軽に見られるのに共感度は高いという絶妙な作品です。
「東京タラレバ娘」を吉高由里子さんの代表作としておすすめする理由は、20代後半という人生の大事な時期をリアルに切り取った演技が光るからです。勢いと揺れ、強さと弱さが同時に出てくる“この時期ならではの吉高由里子”をしっかり楽しめる作品で、恋愛ドラマが好きな人や、アラサー女性のリアルな日常を軽やかに描く作品を求める人にぴったりです。
知らなくていいコト(2020)|30代の吉高由里子が魅せる“強さと揺らぎ”の仕事ドラマ
吉高由里子さんが31歳頃に主演した「知らなくていいコト」は、週刊誌の記者として働く女性が、仕事の現場で生きる強さと、心の奥にある揺らぎを抱えながら日々を進んでいく物語です。30代に入った吉高さんの、大人としての落ち着きと芯の強さが自然に表れ、仕事に全力で向き合う姿がとても魅力的です。20代の頃の軽やかさとは違い、責任を背負いながらも前に進もうとする表情に深みがあり、この時期ならではの存在感が作品を支えています。
物語は、週刊誌の編集部で働く彼女が、日々の取材や記事執筆の中で多くの人や出来事に向き合う場面から始まります。職場の緊張感の中で、新しい情報がもたらされるたびに状況が変わり、仕事とプライベートの境界が揺らいでいく——そんな“働く30代のリアル”が丁寧に描かれています。情報を追う仕事の難しさと、自分の人生に直結する問題が重なっていく中で、吉高さんの表情が一つひとつ物語の深さを感じさせてくれます。
共演者との関係性も見どころで、編集部の同僚として支える柄本佑さんとのやりとりには、仕事仲間以上の信頼や葛藤が自然に滲み出ます。言葉では言い表せない距離感や、職場特有の緊張と温かさが同時に流れ、二人の関係性の変化が視線ひとつで伝わってくるようです。編集長役の佐々木蔵之介さんとの関係では、プロとしての厳しさと温かさが交錯し、主人公の成長や仕事に対する覚悟が浮き彫りになります。
作品全体の魅力は、仕事ドラマでありながら、日常や人生の選択を丁寧に描く点にあります。テンポの良い編集部の空気感や、取材現場のリアルな緊張感が重なることで“働く大人のドラマ”としての充実感が高く、決して重くなりすぎずに深さを感じさせるバランスが絶妙です。映像も落ち着いたトーンでまとめられ、感情の揺れや表情の変化がより鮮明に伝わってきます。
「知らなくていいコト」を吉高由里子さんの代表作としてすすめたい理由は、30代の彼女の演技力が最も自然に引き出されているからです。仕事に向き合う強さ、迷いながらも前に進む姿、そして日常の中でふと見せる柔らかさ——その全部がきれいに重なり、見終わったあとに静かな余韻が残ります。働く女性のドラマが好きな人や、感情の機微を丁寧に描く作品を求める人にぴったりの一本です。


